社内規程集や仕様書、報告書をWordで改訂していると、「第3章を参照」「上記の表を参照」のような文章のあちこちに、クリックすると該当箇所へジャンプする仕掛けが埋め込まれています。これは「相互参照」という機能で、見出しに付いた見えない目印(ブックマーク)を、別の場所から指し示す形で成り立っています。
問題は、改訂のたびに見出しを削除したり、章を並べ替えたりすると、その目印ごと消えてしまうことです。すると、それを指していた「第3章参照」の文字は、Word上ではただの数字や文字のまま表示され続け、どこにもジャンプしなくなります。目次のリンクも同じ仕組みで壊れます。
100ページを超える規程集になると、どこが壊れているのかを1つずつクリックして確かめるのは現実的ではありません。かといって、機密性の高い規程集を無料のオンライン変換サービスにアップロードして中身を見てもらうわけにもいきません。
Wordファイル(.docx)の中にある相互参照・目次のリンク・ハイパーリンクを、本文だけでなくヘッダー・フッター・脚注・文末脚注までまたいで調べ、どこが「切れている」(参照先の見出しが見つからない)かを一覧にします。
見つかった参照切れのうち、「このブックマークは、実はこちらの見出しに変わった」と分かっているものは、指定するだけで一括して張り替えられます。張り替え先が分からないものは、無理に推測せず、その場所に赤字太字の目印を挿入するだけにとどめます。この製品の中心は「機械的に判断できないものを、机上の空論で直したことにしない」という一線です。 保存したファイルをもう一度読み直し、実際に直った件数が、行ったはずの処理の件数と合っているかどうかまで確認します。合わなければ、検査表に正直にその旨を出します。
実際にお使いいただくには、多少パソコンの操作に慣れた方か、社内外の詳しい方に用意してもらう必要があります。一度セットアップすれば、あとは普段の改訂作業の中で使えます。
まず全件一覧のコマンドで、文書の中にどんな参照が何件あるかを把握します。次に検出だけのコマンドで、切れている箇所だけを絞り込みます。最後に、張り替え先が分かっている箇所を指定して修正を実行すると、修正済みのコピーと、Excelでそのまま開ける一覧表、日本語の検査表(HTML)が出来上がります。検査表では、切れている箇所と、修正されずに目印だけが挿入された箇所が、それぞれ別の色で示されます。
対応OSはWindows・macOS・Linuxで、追加のソフトや外部サーバーは不要です。処理はすべてお使いの端末の中だけで完結し、社外への通信は一切行いません。
無料版は、文書全体の一覧表示と、切れている箇所の検出については件数の制限が一切ありません。100ページ級の規程集でも、どこに何件、どんな種類の参照切れがあるかを、無料版だけで正確に把握できます。
制限があるのは、実際にファイルを書き換えて保存する操作だけで、1回の実行につき合計20件までです。21件以上見つかった場合は、超過している件数を表示したうえで、1件も保存せずに止まります。20件ずつに分けて実行すれば、無料版のままでも最後まで進められます。
無料の手段は複数実在します。名指しで比較します。
Wordでの手動確認・再作成が最も基本的な比較対象です。1つ2つの参照切れなら、Wordの「フィールドの更新」(F9キー)や、右クリックからのリンク先変更で十分です。問題は、どこにいくつ参照切れがあるかが、Word本体の画面には最初から表示されないことです。 数十件が散らばった100ページ級の文書では、見つけること自体が作業の大半を占めます。
ネット上で見つかる無料のVBAマクロ例も実在します。ブックマークの一覧を取得するだけなら、数行のコードで書けます。ただし、フィールドコード(相互参照や目次の実体)の正しい読み取り、ハイパーリンクの参照が本当に有効かどうかの確認、ヘッダーや脚注をまたいだ判定、保存後にもう一度確かめる検証は、それぞれ別に実装する必要があり、VBAに詳しくない担当者がゼロから用意するのは簡単ではありません。正直に書くと、VBAが書ける方であれば、無料でこの製品と同等以上のものを自作できます。差は「作る手間をかけずに、テスト済みの状態ですぐ使える」という一点です。
OSSのpython-docx(GitHub上で5,600件以上のスターがある、広く使われるPythonのライブラリ)も実在します。文書の読み書きを手軽にする優れたツールですが、相互参照や目次のような「フィールドコード」を安全に扱うための専用の仕組みは用意されておらず、結局は内部の生のXMLを直接いじる必要があります。「コードを書けば直せる」という前提は変わりません。
この製品が正直に言える違いは、検出漏れの一覧化と、保存後の再確認が最初から組み込まれていること、本文だけでなくヘッダー・フッター・脚注もまたいで判定すること、張り替え・目印挿入という2種類の対応方針を明示的に選べること、外部へアップロードしないことです。Word本体が持つ「フィールドの更新」機能そのもの(目次のページ番号の再計算など)には、この製品はかないません。 目次のページ番号がずれているだけであれば、Word本体の機能で直してください。
以下に当てはまる方には向きません。
この製品が言えるのは「どこが切れていて、どこまで機械的に直せたか」だけです。張り替え先の自動推測は行いません。目次のページ番号の再計算、STYLEREFというフィールドが指すスタイル名の実在確認、ハイパーリンクが指す外部URLが実際に開けるかどうかの確認も対象外です。暗号化されたファイルは開けず、電子署名済みのファイルへの書き込みは、署名が壊れるため行いません。ブックマークの開始・終了タグの対応そのものが壊れている場合は検出して一覧に出しますが、どちらを消すべきかは判断できないため自動修復の対象外です。
WindowsとmacOSは動く作りですが、作者の手元での実機確認はまだ行っておらず、Linux環境(WSL2)での検証にとどまっています。仕上がったファイルは、必ずお客様の環境のWordで開き直して確認してください。
単品買い切り9,800円で、BOOTHで販売されています。月額・従量課金・ライセンスキー・オンライン認証はありません。デジタルデータの性質上、ダウンロード後の返品・返金は受けられませんが、無料版で機能を隠さず全部試せます。
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