調査報告書や採用書類、開示用の資料を毎月まとめてPDFで作る仕事をしていると、こんな不安がついてまわります。
黒い四角形を上に重ねて描くだけの黒塗りは、見た目には隠れていても、PDFの中の文字情報(テキスト層)はそのまま残っていることがあります。これは有名な失敗のパターンで、コピー&ペーストしたり、検索したりすると元の文字が出てきてしまいます。
PDFの中からメールアドレス・電話番号・郵便番号・日本語の氏名らしき箇所を探し出し、黒塗りの四角形を実際に焼き込みます。このとき、見た目を隠すだけでなく、文字情報そのものをPDFの中から取り除きます。 コピー&ペーストしても、検索しても、消した箇所の文字は出てきません。
処理が終わったら、それで終わりにしません。出来上がったPDFをもう一度読み直して、黒塗りしたはずの文字列が本当に見つからなくなっているかを確認します。 1件でも残っていれば、はっきり「要確認」として報告します。結果は、確認した内容と根拠をまとめた一覧表(表計算ソフトでそのまま開けます)として書き出されるので、そのまま納品物に添えられます。
実際にお使いいただくには、多少パソコンの操作に慣れた方か、社内外の詳しい方に用意してもらう必要があります。一度セットアップすれば、あとは普段の作業の中で使えます。
セットアップ後は、PDFファイルやフォルダを指定して実行するだけです。複数のファイルやフォルダの中身をまとめて処理できます。通信は行わず、パソコンの中だけで完結します。処理が終わると、黒塗り済みのPDFに加えて、見つかった箇所の一覧表と、消えたかどうかを確認した結果の一覧表ができあがります。
対応する項目によって、確認の確かさが違います。
元のファイルは書き換えません。処理結果は別のファイルとして作られます。
無料版は、1回の処理につき3ファイルまでです。検出・黒塗り・確認・一覧表の書き出しは、機能を1つも隠さず、購入版とまったく同じものが動きます。4ファイル以上を指定すると、何ファイル超過しているかを表示して止まります。
無料で使える手段は実在します。名指しで比較します。
Stirling-PDF(無料・オープンソース) は、黒塗りの実装そのものは本製品と同じ水準で、文字情報を実際に取り除く処理までできます。違いは、Stirling-PDFは自分で環境を用意して動かす総合ツールで、日本語のメールアドレスや電話番号を自動で見つけて黒塗りする機能は持っていない点です。検索したい語句を1つずつ入力する手作業が中心で、処理後に「本当に消えたか」を確認する一覧表の書き出し機能もありません。
pdf-redactor(無料・プログラム部品) は、考え方が近い道具です。ただし、これは完成したアプリではなく、使うにはプログラムを書ける人が自分でコードを用意する必要があります。日本語の電話番号や郵便番号の書き方を認識する仕組みは入っておらず、確認の一覧表を作る部分も自分で作る必要があります。
PyMuPDF(無料・プログラム部品、この製品自体もこれを使って作っています) は、見た目だけでなく文字情報を実際に取り除く技術そのものは無料で誰でも使えます。違いは、日本語の氏名・電話番号・メールアドレス・郵便番号を見つける機能や、確認の一覧表を作る機能、購入前に試せる無料の範囲などが用意されていない点です。
以下に当てはまる方には、この道具は向きません。
単品買い切り9,800円で、BOOTHで販売されています。月額・従量課金・ライセンスキー・オンライン認証はありません。無料版は別ページで配布されています。
確認の一覧表には見つかった個人情報そのものが記載されるため、元のPDFと同じように保管し、不要になったら削除することをおすすめします。
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