裁断・撮影して本を自炊していると、数十冊、数千ページという単位の作業になります。1ページずつ丁寧に扱うと、こんな悩みがついてまわります。
ScanTailor Advancedのような無料ソフトも存在し、実際によくできています。ただ、1冊ごとにGUIで確認しながら処理する作りなので、何十冊もまとめて流し込んで、うまくいかなかったページだけを機械的に拾い出す、という使い方には向いていません。
ページ画像のフォルダを指定するだけで、まとめて次の処理を行います。
1. 傾きを検出して補正します。 ページの中の文字の並びから、どれくらい傾いているかを自動で推定し、まっすぐに直します。
2. 見開きページを左右2ページに分割します。 綴じ目(ノド)にできる影を手がかりに、境目を自動で見つけます。
3. 補正できた自信の度合い(確信度)を数値で出します。 うまく検出できなかった疑いのあるページは、確信度が低い数値として記録されます。
4. 確信度が低いページだけを、別フォルダへ実際に抜き出します。 数千ページ全部を見返す必要はなく、抜き出されたページだけを確認すれば済みます。
処理に使った設定は、毎回自動で保存されます。同じ本のシリーズや、同じ撮影環境で何度も処理する場合は、その設定をそのまま次のバッチにも使い回せます。
コマンドラインでの操作が必要です。パソコンの操作に多少慣れた方、または身近な詳しい方に一度セットアップしてもらう必要があります。一度セットアップすれば、あとは画像の入ったフォルダを指定して実行するだけです。通信は行わず、パソコンの中だけで完結します。
python3 -m jisuifix ./スキャン画像フォルダ -o 整形済み -r
実行すると、傾きを直して左右に分割した画像に加えて、全ページの検出結果をまとめた一覧表(表計算ソフトでそのまま開けます)と、確認が必要なページだけを集めたフォルダができあがります。
無料版は、1回の処理につき15ファイルまでです。傾きの検出・補正・見開き分割・確信度の算出・確認用フォルダの抽出・設定の保存は、機能を1つも隠さず、購入版とまったく同じものが動きます。16ファイル以上を指定すると、何ファイル超過しているかを表示して止まります。
無料で使える手段は実在します。名指しで比較します。
ScanTailor Advanced(無料・オープンソース) は、傾きの検出や見開き分割に加えて、本製品には無い「見開きの歪みを平らに伸ばす」処理まで備えた、単体の処理の精度としてはこちらのほうが高機能なソフトです。1冊ごとに画面で確認しながら処理する作りになっており、数百から数千ページ規模で「どのページが自動処理に自信が無かったか」を数値で絞り込み、実際に別フォルダへ取り出す仕組みは持っていません。結局、全ページをざっと見て確認することになりがちです。1冊だけを時間をかけて丁寧に処理したいなら、ScanTailor Advancedのほうが向いています。
PDF Arranger(無料・オープンソース) は、PDFのページを並べ替えたり回転させたりする道具ですが、傾きを自動で検出する機能はありません。回転は90度単位か、数値を自分で指定する手作業が基本です。見開きを分割する機能もありません。この製品とPDF Arrangerは競合するというより、この製品で傾きの補正と分割を済ませた画像をPDF化したあと、ページの並べ替えにはPDF Arrangerを使う、という組み合わせを想定しています。
以下に当てはまる方には、この道具は向きません。
単品買い切り12,800円で、BOOTHで販売されています。月額・従量課金・ライセンスキー・オンライン認証はありません。無料版は別ページで配布されています。
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