VrewやWhisperで文字起こしをして字幕を作ると、音声認識の処理にかかった時間の影響で、字幕全体が本編の映像より少しずつ後ろへズレていることがあります。動画の前半はだいたい合っているのに、後半に行くほどズレが目立ってくる、というパターンです。これを直すために、字幕編集ソフトを開いて全体をまとめてずらす作業を、納品のたびに繰り返している方は多いはずです。
もう一つの悩みが、行の長さです。自動生成された字幕は句読点の位置とは無関係に、長い1行としてそのまま出てくることがよくあります。画面に出したときに読みにくいので、句読点や意味の区切りのいい場所で手作業で改行を入れ直す必要がありますが、これが地味に時間を取られます。複数本の動画をまとめて抱えている受託の動画編集者にとっては、同じ直し方を1本ずつ繰り返す手間も無視できません。
できあがったSRT字幕ファイルを渡すと、時間のズレを直し、長すぎる行を日本語として自然な位置で改行し直してくれるツールです。全体を一律に何秒か前後へずらす直し方と、動画の実際の長さに合わせて全体を比例配分で補正する直し方の両方に対応しています。行の改行は、句読点や「は」「を」のような助詞の直後という不自然でない場所を選んで入れ直され、句読点だけが行の先頭に来てしまうような見た目の悪い改行は避けられます。文字を消したり足したりすることはなく、複数のファイルをまとめて渡せば、同じ直し方を一度に適用できます。
音声認識や文字起こしそのものは行いません。あくまで、できあがった字幕ファイルの時間と見た目を整えるところまでの道具です。
実際にお使いいただくには、多少パソコンの操作に慣れた方か、社内外の詳しい方に用意してもらう必要があります。一度使い方を覚えれば、あとは普段の納品作業の中でそのまま使えます。処理はすべてパソコンの中だけで行われ、字幕ファイルがインターネットに送られることはありません。
字幕ファイルを渡すだけで、指定した秒数だけ全体をずらすか、動画の実際の長さを伝えて自動で比例配分するかを選べます。ずらした結果、字幕の先頭が動画の始まりより前に来てしまう場合は、その旨を知らせたうえで0秒に切り詰められるので、気づかないままおかしな字幕ファイルができあがることはありません。改行の整形は既に読みやすい行には手を加えず、上限の文字数を超えている行だけを対象に行われます。壊れた形式の字幕ファイルを渡した場合は、どこが読めなかったのかを示して処理を止めるので、気づかないまま変な結果を受け取ることもありません。
無料のまま、1回の実行につきファイル1本・字幕300件まで処理できます。時間のズレを直す機能も、改行を整形する機能も、無料版と製品版でやり方はまったく同じです。
購入で外れるのは、一度に処理できるファイル数と件数の上限だけです。機能を隠しているものは1つもありません。ライセンスキーやオンライン認証の仕組みもありません。
字幕のタイムコードを一律にずらすだけなら、無料のオンラインツールで足ります。SubShifter(subshifter.bitsnbites.eu)は、開始と終了の2点を指定してより細かく補正する機能まで持っていて、この点ではこちらのツールより高機能です。Subtitle Time Shifter(subtitlesedit.com)も、無料でタイムコードの一律シフトができます。
ただし、これらのツールはいずれも一度に1つのファイルしか扱えず、テキストの改行を整形する機能もありません。定番の字幕編集ソフトSubtitle Edit(nikse.dk、無料・オープンソース)にも行の調整機能はありますが、パソコンへのインストールが必要なアプリで、日本語の句読点や助詞を基準にした改行ではありません。
複数の字幕ファイルへ同じ時間補正と同じ改行整形をまとめて適用できる無料の道具は、調べた範囲では見つかりませんでした。単発のファイルを1本だけ直したいなら、上に挙げた無料ツールで十分です。
単品買い切り 13,600円 で、BOOTHにて販売されています。月額課金・従量課金・オンライン認証はありません。
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